働き方

残酷な自動車業界で生き延びるたったひとつの方法

投稿日:2018年1月21日 更新日:

伽藍(がらん)を捨ててバザールに向かえ

「伽藍とバザール」。この言葉をご存知でしょうか?

もともとはソフトウェアの開発スタイルを分類するためのもので、設計者や管理者が閉鎖された環境の中で首尾一貫して作り込む手法を伽藍方式と言います。ソフトウェアではWindowsやiPhoneのiOSなどが代表例ですね。

一方でバザール方式は様々なメンバーがアイデアや技術を自由に持ち寄り、交換しながら作り上げていく方式。Linuxが代表例です。

「Linuxなんて誰も使ってねーじゃんw」なんて侮ることなかれ。

スマホ用OSの約70%という圧倒的なシェアを誇るAndroidはLinuxベースで作られたもの。

もちろんオープンソースといえども万能ではないですが、例えばインターネットも開放的なバザール空間で技術やヒト、ビジネスが有機的に結合しネットワーク効果が生ずることで普及・発展してきました。


 

このことについて、作家・橘玲(たちばなあきら)氏は著書「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」の中で、バザールの優位性はソフトウェア業界のみならずキャリア形成や企業戦略にもあてはまることを指摘しています。

世間から隔離された伽藍(会社)のなかで行なわれる日本式ゲームでは、せっかくの評価も外の世界へは広がっていかない。それに対してバザール(グローバル市場)を舞台としたハッカーたちのゲームでは、評判は国境を超えて流通する通過のようなものだ(だから、インドの名もないハッカーにシリコンバレーの企業からオファーが届く)。

幸福の新しい可能性を見つけたいのなら、どこまでも広がるバザールへと向かおう。うしろを振り返っても、そこには崩れかけた伽藍しかないのだから。

崩れかけた伽藍

「伽藍とバザール」を自動車業界にあてはめると、まさにEVは崩れかけた伽藍の中に封じ込められた新しいゲームといえるでしょう。

すでに新しいチャレンジは始まっています。

スズキやSUBARU(スバル)、日野自動車、ダイハツ工業はトヨタ自動車が主導する電気自動車(EV)の基盤技術の開発会社に合流することを決めた。新たに参加する4社は2018年1月から技術者を派遣する。最新のEV技術を共有し、小型車、中型車、商用車など各社が強みをもつ車種に必要なEVの技術開発を加速する。

Source: 日経新聞

GLMは2010年設立で社員数27人、売上高は約2億円(17年3月期)の小さな会社だ。しかし独ボッシュなど大手と提携しており、オムロン、ニチコンなどといった関西企業とも協力する。協力会社は国内外で約170社に達する。実績を重視する自動車業界にあって、GLMが大手部品企業を引き付けるのはそのオープンな開発手法と、独自のビジネスモデルだ。

Source: 日経新聞

自動車業界における「崩れかけた伽藍」が旧態然とした企業組織とエンジンレガシーに縛られた産業構造であると考えると、日本を代表する自動車メーカーであるトヨタと、日本を代表するEVベンチャーであるGLMがともに電気自動車の開発ではバザールを志向しているのはおもしろいですね。

このバザールという開放空間の中からどんな車が生まれてくるか、とても楽しみです。

幸い電動化技術についてはトヨタ連合やGLMによって伽藍からバザールへ開放されましたが、ある意味で最も不幸なのは伽藍に封じ込められている人材のような気がします。




-働き方
-, , ,

Copyright© 電気自動車と自動運転の最新ニュース:EV Journal , 2018 All Rights Reserved.