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ドイツ発、ソーラー充電で走れる電気自動車「Sion」

投稿日:2017年1月14日 更新日:

ソーラー充電で30km走行可能な電気自動車

エンジンでガソリンを燃料する車と比べると、走行中に排気ガスを排出しないため環境に優しい電気自動車ですが、その充電には急速充電でもおよそ30分、普通充電では8~11時間ほどかかってしまうのが現状です。

ところが、そんな常識を覆す新しい電気自動車がドイツで開発中とのこと。その名も「Sion」、ドイツのベンチャー企業である「Sono Motors」が産み出した、太陽光による充電が可能な電気自動車です。

Source: greenz

皆さんは太陽電池を利用したEVというと、ついソーラーカーレースに出場するような平べったい車体の上にパネルを敷き詰めたクルマを想像してしまうのではないでしょうか。

ソーラーカーは過去何十年にもわたって散々開発されてきたにも関わらず、いまだに平べったい形から抜け出せていません。

 

ところが、Sono社のクルマは普通の乗用車のフォルムをしています。これで本当に実用に耐えうるものなら、まさに革命

ただ、こうしたベンチャー企業のプロジェクトは本当に普通の乗用車のようなフォルムで太陽光で走行できるの?とか、乗用車としての性能は大丈夫なの?とか、どうせ金だけ集めてバックレるんじゃないの?とか、いろいろ心配になるものです。

2016年現在、Sono motorsのWEBサイトを見る限り走行可能な試作車は存在していないようです。ググると一応いろいろ画像は出てきますが全てティザーCGのようです。(2018年時点では走る車両の動画が公開されています)

sonomotors

 



本当に太陽光だけで30kmも走れるのか

Sono社はその太陽光発電システムをviSonoと名付けており、同社のWEBサイトによると、車体に貼り付けられた太陽光パネルの面積は7.5m2で、1日で30kmもの走行が可能な電力を補うことができると主張しています。

さて、本当に太陽光だけで30kmも走れるのでしょうか。ざっくり検証してみましょう。

 

ソーラーカーの性能を語るうえで重要なのは、ソーラーパネルの発電量と走行に必要な電力のエネルギー収支。もうほぼこれに尽きます。これさえ成立すればあとは普通のEVと同じと考えて良いです。

 

ソーラーパネルの出力は設置条件や季節、温度などによって異なりますが、パナソニックの太陽光発電システムのWEBサイトによれば2016年現在の家庭用のソーラーパネルの単位面積あたりの容量は0.2kW/m2ぐらいが相場のようです。

 

これをSionのパネル面積7.5m2に換算すると、太陽電池容量は1.7kW。

ソーラーパネルの一日の発電電力量は

発電電力量(kWh/day)=日射量 × 太陽電池容量(kW) × 温度補正係数 ×設置方式による温度上昇への影響係数 ×その他損失 × 影の影響による損失係数 × 昇圧ユニット変換効率 ×パワーコンディショナの変換効率

Source: 京セラ

となります。そこで、

日射量:3.67kWh/m2/day   (東京・真南向き)
太陽電池容量:1.7kW
温度補正係数:0.9 (冬季)
設置方式の影響係数:1.0 (屋根設置)
その他損失:0.95 (配線、受光面の汚れなど)
影による損失:1.0 (日陰にはならないと仮定)
昇圧ユニット効率:1.0 (損失無しと仮定)
パワーコンディショナ効率:0.95(家庭用ソーラーパネルの数値で代替)

として計算すると、発電電力量は5.06kWh/dayとなります。

バッテリーへの充電効率を80%とすると、利用可能な電力量は4.05kWh/day。

仮に日産リーフの電力消費率114Wh/km(JC08)で走行できるとすると、走行距離は4.05 ÷ 0.114 = 35.5km

 

 

おやっ!?

 

上記の試算はかなり甘い条件ですし、車のドアに設置されたソーラーパネルはかなり発電効率が落ちると思われますが、Sion社が掲げている「太陽光だけで30km」というのは、条件さえ整えばあながちあり得ない話では無い数字ではなさそう。

 

「太陽電池を利用するクルマは平べったい」という、ソーラーカーのイメージで刷り込まれた常識は覆るかも!?

 

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Sono Motors公式WEBサイト



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