「新しい石油時代」に向けて
【「石油」の終わり エネルギー大転換】
平成最後の1冊。
「石油の時代オワコンだ!」と感情的に叫ぶ内容ではなく、一帯一路、中東の混迷、米国第一、パリ協定、EV、原発など、バラバラに見える事柄から新しい石油時代の秩序が垣間見えることを中立的な視点で描いた内容。https://t.co/Bs2fW2OYJO pic.twitter.com/eaPGtmo0dB
— ごぼうし@電気自動車VTuber (@evjournal_jp) 2019年4月29日
複雑に絡み合った石油をとりまく国際情勢。
でも「石器時代は石が無くなったから終わったのではない。石油も同じだ。」というフレーズが未来を予見する。
— ごぼうし@電気自動車VTuber (@evjournal_jp) 2019年4月29日
ただひとつ気がかりなのが、仮に今後EVが普及して石油消費が減り続けてもエネルギー安全保障上の中東リスクから解放されるわけではなくて、むしろ採掘コストが安い中東への依存度が高まる可能性があるということ。
— ごぼうし@電気自動車VTuber (@evjournal_jp) 2019年4月30日
またオイルマネーで国民の福祉や教育、軍事費などをまかなっている国が少なからずある中で、急激に石油需要が落ち込むと紛争やテロの温床にもなりかねない。
そういう意味では、EVシフトや再エネは産油国の代替産業の育成とセットでやるべきなんだろうな。
— ごぼうし@電気自動車VTuber (@evjournal_jp) 2019年4月30日
私は日本の近代史をふまえるとEVシフトによって政情が不安定な産油国から距離をおくことがエネルギー安全保障上のメリットになる思っていたんですが、どうもそんな単純な話ではないという視点を与えてくれる内容でした。
近年シェール革命によって石油自給率が上がった米国が「世界の警察」として振る舞うことをやめたことが近年の中東の騒乱につながってしまったことが示すように、今後オイルピークを迎え中東諸国から資金や投資が引き上げてしまったら、オイルマネーによって微妙な秩序を保っている中東諸国は紛争やテロの温床にもなりかねないでしょう。
その点、EVシフトや再生可能エネルギーの拡大によって新たに生じる地政学的リスクへの対応を考えさせられる内容であり、「新しい石油時代」を洞察する一冊です。