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電動バイクで4社が連携へ。ネット上では好感されてるけど、グダる予感しかしない

投稿日:2019年4月17日 更新日:

電動バイクで4社が連携へ 国際的な規格づくりの主導権模索か

ホンダやヤマハ発動機など日本のバイクメーカー4社は、電動バイクの普及に向け、電池や充電設備などの規格を統一するための協議会を共同で立ち上げる方針を固めました。電動バイクの開発競争が世界的に激しくなる中、日本メーカーで連携して国際的な規格づくりで主導権を握り、販売の拡大につなげるねらいもあるとみられます。

Source: NHK(2019/04/02)

ざっくり言って、バイク業界の環境規制や技術、商品の動向はクルマ業界よりも10〜15年先ぐらい遅れていて、先行指標たるクルマ業界の動向を見ればマクロトレンドはわりと予測しやすい傾向があります。

 

二輪のトレンドが遅れる原因としては、

  • 車体が小さく小型・軽量化に対する要求が厳しい
  • 購買ユーザー層の所得が低いため、コストがかさむ高付加価値機能が搭載できない
  • 主要市場がモータリゼーションの真っ只中であり経済成長が優先される

などが挙げられます。

 

よって、EVシフト真っ只中であるクルマ業界は近い将来のバイク業界の姿。

バッテリーの重量、コスト、性能がある程度こなれてきて二輪の商品特性にハマるようになってくると、バイクでもEVシフトの波が押し寄せてくるはずです。

だから結果的にEVシフトへの対応が後手に回ってしまったクルマ業界を他山の石とすれば、バイク業界は先手を打つことで次世代の主導権を握ることができるはずです。

 

そんなバイク業界で国内4社(ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキ)が電動バイクの普及に向けて連携するとなれば一見、期待が持てそうなのですが、コトはそんなに単純じゃなさそうなんです。

 



記者会見の骨子からにじみ出る嫌な予感

台湾のゴゴロやキムコに対する危機感が動機になっているようですが、国内市場を想定しているのがキナ臭いです。

国内の二輪市場は80年代から現在にいたるまで「3ない運動」という愚策によって根絶やしにされてきたため、原付1種、2種あわせても年間30万台かそこら。

ちなみにお隣の台湾なんて人口が日本の5分の1しかないのに年間80万台も売れてます。

それが九州よりも狭くて温暖な国土にひしめき合ってるんですから、似たようなビジネスを日本でやったとしてもゴゴロやキムコのようにスケールできるとは到底思えません。

 

そして共同で仕様(大きさと形状、ジャックの形、電圧など)を決めて標準するとのことですが、具体的な日程感が示されていないというのも怪しい。

 

実務レベルでどうなっているか報道からは読み取れませんが、

コンソーシアムの位置づけに関しては「あくまでも協議体。出資をし、法人登記をするわけではない。月1回以上、各社のエキスパートが集まり、各社の持っている技術を持ち寄ってユーザーの使い勝手を議論し、最終仕様を決める」とし、バッテリーの充電および交換ステーションなどインフラについても「コンソーシアムの中で議論をし最終的には決めたい」と三原部長は解説。

Source: Response2019/04/04

ということで、ともすれば立ち消えになってもおかしくない雰囲気。

あくまで協議体ですからね。潰れたところで誰も経営責任は問われませんから。

 

ということで、とっても嫌な予感がするんです。

 

二輪各社の温度差がありすぎる

原付や電動バイクに対する二輪各社の温度差も気になります。

 

ホンダ

ご存知のとおりホンダは2016年の社長会見で販売予告していたEV-CUBをぶっち切り、満を持して登場したPCXエレクトリックもリース販売のみというお寒い状況。

しかもPCXエレクトリックはゴゴロに対して後出しジャンケンのはずなのにスペックも価格も負けるというアリサマなので、冬の時代はもうしばらく続きそうです。

「ホンダ、電動スーパーカブを2018年に発売」は見送りか

 

ヤマハ

国内二輪メーカーでは唯一電動バイクをラインナップしているヤマハ。

ヤマハのe-Vino(台湾生産)は「充電させてもらえませんか?」のおかげで、良くも悪くも市民権を得た感があります。

「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」の電動バイクのメーカーは?価格は?

 

ただヤマハは国内の排気量50ccの原付スクーターの生産・開発はホンダに移管することで事実上は撤退していて、すでに国内の原付市場には見切りをつけている模様。

 

一方、電動バイクのバッテリーについてはちゃっかり台湾ゴゴロと提携済みでして、日本向けの協議体なんてぶっちゃけどーでも良いと思っていそうなフシがある。

ヤマハとGogoroEVで協業を検討 電動バイクとバッテリー交換システムを調達

 

スズキ

スズキの二輪事業は儲かってないです。

儲かってないので、2019年4月から二輪事業本部は「二輪カンパニー」という形で分離されてしまいました。

二輪カンパニーを設立した理由は、独立採算で、積極的に事業正常化への解決策を見出し、収益事業への転換を図るため。二輪カンパニーの下に、二輪企画部、二輪デザイン部、二輪設計部、二輪管理部を置く。

Source: Response201941日)

 

こうした状況なので、しばらく収益が出そうもない国内の原付電動バイクなんぞは後回しになることは想像に難くなく、すぐに収益化に結びつかない企業間連携にリソースを積極的に割くようなことはできないでしょう。

 

カワサキ

カワサキの国内ラインナップを見てみろ!

排気量50cc未満の原付一種なんて無いだろ!!

国内の原付電動バイクなんて興味ねぇんだよw!!!

 

一応フォローしときますと、カワサキは電動スポーツモデルの特許はいっぱい出してますんで、電動バイクそのものには興味はありそうなんですけどね。

Ninjaにどデカイバッテリーを搭載してみた的な特許の図

 

まとめ

電動バイクで4社が連携ということで当初は胸が高鳴ったんですが、今回のスキームは呉越同舟・同床異夢の極致。

協議体の目指すところを見ても、各社の状況を見ても、グダりそうな芳醇な香りがプンプンします。

 

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