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ホンダはEVにかなり本気かも?エネルギーマネジメントの事業化に動き出した

投稿日:2019年3月12日 更新日:

先日、Youtubeでホンダの「Honda e」の話をした回で「ホンダがEVに本気かどうかは急速充電器でわかりますね」というコメントをいただきまして、確かにクルマを売るだけじゃなくてディーラーやユーザーなどへの充電インフラにどこまで力を入れるかかがメーカーとしての本気度を図る目安になるよなぁなんて思っていたところ、ホンダのニュースリリースを見ていたら面白い記述がありましたのでご紹介。

欧州向けエネルギーマネジメントの事業化を推進

Hondaは、事業化に向け取り組んでいる、欧州向けのエネルギーマネジメントソリューションの取り組みに関しても発表しました。今回の発表内容は、2017年のフランクフルトモーターショーで初公開した電力系統と双方向での充電・給電を可能にする「Honda Power Manager Concept(パワーマネージャーコンセプト)」をさらに発展させたものです。今後、エネルギーマネジメント商品およびサービスのポートフォリオを強化し、欧州のEVユーザーと、電力事業者を含めたエネルギーサービス事業者の双方に向けた総合的なソリューションを提供することを目指します。

また、電力系統と電気を融通しあうエネルギーマネジメント技術を、EV用充電ソリューションを提供するスイスのEVTEC(イーブイテック)社と共同開発中で、数年以内に事業化する予定です。

さらに、Hondaは新たに以下の2社とパートナーシップを締結することを発表しました。

-Moixa(モイクサ):リソースアグリゲーション技術に秀でた企業で、EVバッテリーの充放電管理と容量管理を取りまとめることで、EVユーザーが利益を得る仕組みを提供します。

-Ubitricity(ユビトリシティ)都市部の路上充電における革新的なアプローチで業界をリードする充電ソリューション企業。

Hondaは、次のステップとして、英国・ロンドンとドイツ・オッフェンバッハで当該技術の実証実験に着手し、年内にもさらなる展開についての発表を行う予定です。

Source: Hondaニュースリリース(2019/3/5

エネルギービジネスを手がける「イーブイテック」「モイクサ」「ユビトリシティ」の3社とのパートナーシップ発表です。

ぜんぶ聞いたことねぇ会社だぞ、オイw

新型EVの発表の影に隠れて地味ぃ〜な情報なんですが、EVの普及を睨んでけっこう重要なところを押さえてに来ているように見えますので、そのへんの事情をご紹介します。

 



インフラの事業化はEVの普及のボトルネック

私がホンダの発表に注目した背景は、電気自動車界隈はクルマや急速充電器の技術やコストの競争というのは各社盛んに行われているのですが、急速/普通問わずインフラの整備・運用で収益を上げることのできるビジネスモデルが未だ存在していないからなんです。

 

現在、充電インフラは

  • 投資金額が莫大
  • 初期投資の回収に長い時間が必要
  • 利用率が上がらない

という問題を抱えていて、電力は単価が低く充電に時間がかかり客の回転も悪いので、先行して発生するインフラ投資がなかなか回収できないという状況に陥っています。

 

だから世界のどこの国もインフラ整備に補助金を注入して、ビジネスとして成立しない部分をムリヤリ乗り越えようとしているわけですが、お世辞にも健全な状態とはいえませんよね。

ただ、ひとたび「充電器インフラの整備・運用で金儲けできる」というブレイクスルーが起きれば、もう放っておいてもある程度の水準まで充電器が自然増殖し、誰もが自宅や出先で不自由なく充電器にアクセスできる社会になるはずです。

 

こうしたことから、ホンダがクルマだけでなくエネルギービジネスも押さえに来たというのは、EVに対する本気度が垣間見えて非常に期待しているのです。

 

ホンダのパートナーたち

「イーブイテック」「モイクサ」「ユビトリシティ」の3社については、あんまり日本語での情報がないのでサラッとご紹介。

 

EVTEC(イーブイテック)

電力系統と電気を融通しあうエネルギーマネジメント技術を手がけるスイスの企業。

同社WEBサイトによると、充電ポイントと中央システムとの間の通信プロトコルを提供し、充電器をオンラインで認証し充電ポイントへのアクセスと操作をリモートで制御するのだそう。また利用者の認証と決済サービスも提供できるようです。

ここから読み取れることは、ホンダはEVバッテリーを使ったV2Gの充放電制御技術と決済システムの構築を目指しているものと推察されます。

EVTEC

 

Moixa(モイクサ)

モイクサは機械学習をはじめとするAI技術を一般家庭用蓄電池に活用したプラットフォーム事業を展開する英国の企業。

リソースアグリゲーション(集約)技術に秀でた企業で、電気料金が安いオフピーク時間帯に電力会社から提供される電力の充放電管理と容量管理を取りまとめ、EVユーザーが利益を得る仕組みを提供するようです。

ここから読み取れることは、ホンダは「クルマが勝手に売買電してお金儲けをする」という価値の創出を志向しているものと推察されます。

Moixa

 

Ubitricity(ユビトリシティ)

ユビトリシティは都市部の路上充電における革新的なアプローチを手がけるドイツの充電ソリューション企業です。

同社のソリューションは、街灯に充電器を設置し専用のスマートケーブルで車と街灯をつないで充電するシステムであり、街灯1本あたり数万円程度(工事費別)と従来の充電ステーションに比べると極めて安価であることが特徴。

スマートケーブルに内蔵されたワイヤレスデバイスによって、誰がいつどこで、どれだけの電気を使用したかが把握でき、また課金・支払いも簡単に済ませられるとのこと。

ここから読み取れることは、ホンダは低コストな充電インフラ(≠急速充電ネットワーク)の整備にビジネスチャンスを見出していることが推察されます。

Ubitricity

 

まとめ

各パートナーのソリューションと電気自動車を有機的に連携させるところにホンダの手腕が問われそうですが、EVが普及する上でボトルネックとなっているエネルギービジネスの領域に取り組む姿勢は好感が持てます。

近い将来、EVは車両技術のみならずビジネスモデルの領域でもブレイクスルーが起きそうでワクワクしますね。

 

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