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BMW、i3のパワーユニットをトルコKarsan社の小型電動バスに供給

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i3のパワーユニットを他社へ供給

BMWの量産型電気自動車「i3」に搭載されているパワートレインが小型のバスでも活躍することになった。

BMWは、トルコのKarsan社の小型電動バス「Karsan Jest」にi3を供給すると発表した。i3のために開発された電動モーターとバッテリーが他社に提供されるのは初となる。

Source: TECHABLE

実はBMW i3の電動システムが他のモデルに使われるのは、これが初めてではありません。

2017年に発売されたBMW C evolutionというマキシスクーターは、i3と同様のバッテリーモジュールが採用されています。

C evolutionは、最新世代のバッテリーモジュールを搭載しています。このモジュールはBMW i3に採用されているものと同様のもので、航続距離が60 %も向上し160 kmにまで延びています。

Source: BMW Motorrad

 

ただ私が知る限り、BMWの電動パワーユニットが外部企業の小型電動バスに供給されるというのは史上初の試みです。

 

このことは、ほかではあまり語られない電気自動車の大きなメリットを活用したものですので、次で解説します。

 



電気自動車の隠れたメリット:スケーラビリティ

電気自動車のシステムは搭載するモデルに応じてバッテリーの容量やモーターの出力を変更すると、わりと簡単に車格の違いに対応することができます。

もちろん重量が増えたり、熱やエネルギーのマネジメントの難易度が上がることは否定しませんが、それでも排気量違いのエンジンを作るとか、乗用車用の燃料電池(水素タンク)をスクーターに搭載することなどに比べると、はるかに技術的難易度は低いです。

そして取り扱う部品の種類も数も大きく変わらないので、品質管理も楽です。

 

あなたはスクーターのエンジンを小型バスに流用したなんて話、聞いたことありますか?

そもそもスクーターに使われる数百ccのガソリンエンジンと、小型バスに使われる5リッタークラスのディーゼルエンジンの両方のノウハウを持ってる会社なんて、世の中に無いでしょう。

 

燃料電池なんてもっとヤバいです。

燃料電池車の小さいタンクに水素を高圧で注入すると過熱して壊れてしまうので、ガンガン電気を使って冷凍機で水素を冷やしてから注入します。水素タンクは小さくなればなるほど熱には弱くなるので、実用性と経済性を確保しながらスクーターに搭載できるレベルまで小型化するのは難しい。

 

そんなわけで、電動パワートレインのスケーラビリティの良さは電気自動車の大きな特長なのです。

スケーラビリティが優れているということは、パワーユニットの開発で浮いたリソースを顧客の満足につながるところに配分できる、というメリットに繋がります。

まれに「俺のクルマの排気量はデカイんだぞ!偉いんだぞ!」みたいにパワーユニットの大きさに優越感を見出す人は存在しますが、多くの消費者にとって排気量や水素タンクの大小なんてどーでも良いことです。

 

クルマとして必要な性能と機能さえ満足してくれれば、部品メーカーから買ってきたバッテリーとモーターを使おうが、自社で一品物的に開発したエンジンを使おうが、手段なんて知ったこっちゃないです。

むしろ車種別にエンジンを開発する金があるなら、消費者の利益になるところに回すか、コストを削減して車両価格に還元してくれ、というのが正直なところでしょう。

 

まとめ

今回取り上げたトルコのKarsanという小型バス会社は、少なくともパワーユニットの開発・生産にかかるお金や時間は節約できているはずなので、余ったリソースは直接的に顧客の満足につながるところに振り向けることができるでしょう。

 

こうした電気自動車の優れた特長を利用した取り組みは、今後も増えてくると思います。

電動化技術は消費者のメリットに直結する商品魅力や価値の創出に大きく寄与することが期待されているのです。

 



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