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スバルに続いてマツダもバルブスプリングでリコール!でも本当にヤバいのは・・・

投稿日:2018年11月9日 更新日:

SKYACTIV-Dにまつわる怖い話。

信じるか信じないかはあなた次第デス

 

マツダがディーゼル車23万台でリコール、バルブスプリングと制御ソフトに不具合

マツダは2018年11月8日、「アクセラ」「アテンザ」「CX-5」「CX8」のディーゼルエンジンモデルのリコールを国土交通省に届け出た。エンジンの吸気側バルブスプリングエンジン制御コンピュータに不具合がある。対象となるのは、2012年2月~2018年7月の期間に生産された4車種23万5293台だ。2017年2月23日に届け出たリコールの改善措置が不十分だったため、エンジンの吸気側バルブスプリングのリコールを実施する。

Source: MONO-ist

 

スバルに続いてマツダもバルブスプリングのリコール。

 

スバルは

「バルブスプリングは設計上の問題があった。通常バルブスプリングにはジルコニアやシリコンなどの微小な異物が入っているが、生産上のバラツキによりこの微小異物により折損する可能性があった。現在は細かい内容は言えないがバルブスプリングの材質も変更している。」

Source: carview

と説明しており、材質のバラツキを許容できていなかったスバルの設計ミスであるとしています。

この言葉を信じるならば、サプライヤーが取り扱う材料や品質管理の問題ではないので他社に波及することは無いでしょう。

 

一方のマツダも

エンジンの吸気側バルブスプリングにおいて、スプリング荷重の設定が不適切なため、吸気バルブの閉じ力が弱く、吸気バルブとバルブシート間に挟まる煤を押し潰すことができず、圧縮不良となることがある。

Source: MONO-ist

とあるとおり、こちらもマツダの設計ミス。

 

ということで、バルブスプリングのリコールが立て続けに出ましたが、これはたまたまタイミングが重なっただけとみられます。

 

ところが一連のマツダのリコール、本当にヤバいのはバルブスプリングの案件じゃないんです・・・。

 



マツダのリコールは3件同時

この度のマツダのリコールは3件同時です。具体的には以下のとおり。

  1. エンジンの吸気側バルブスプリングにおいて、スプリング荷重の設定が不適切なため、吸気バルブの閉じ力が弱く、吸気バルブとバルブシート間に挟まる煤を押し潰すことができず、圧縮不良となることがある。そのため、エンジン回転が不安定になり、最悪の場合、エンジンが停止するおそれがある。
  2. エンジンの吸気シャッタ・バルブにおいて、制御プログラムが不適切なため、バルブ周辺に付着する煤などにより、バルブ開度が正しく制御されなくなり、エンジン警告灯が点灯した際、フェールセーフが十分に機能せず、バルブが全開しないことがある。そのため、煤などの付着により、バルブが全閉のまま固着した場合、エンジンが停止するおそれがある。
  3. エンジンの排気圧センサにおいて、異常判定プログラムが不適切なため、センサ内部への水分の浸入により、センサの出力値がずれ、排出ガスが基準値を満足しなくなる場合に、異常判定しない。そのため、そのままの状態で使用を続けると、浸入した水分により排気圧センサ内の電子回路が腐食し、断線することでエンジン警告灯が点灯し、フェールセーフ制御によりアイドリングストップが作動しなくなり、変速ショックが大きくなるおそれがある。

 

ではひとつずつ見てみましょう。

 

エンジン排気圧センサの異常判定プログラムの不適切

順不同ですが、結論から申し上げるとこの案件は大して深刻な内容ではないです。

プログラム修正だけで済みそうです。

 

バルブスプリングの荷重設定が不適切

スバルに続いてのバルブスプリングのリコールですが、こちらの案件も結論から申し上げると、大して深刻な内容ではないです。

こちらもスプリング荷重が高いものに交換するだけ。

スバルと違ってマツダは直列エンジンでありバルブスプリングの交換はエンジンを降ろさなくても作業できるので、ディーラーで対処できそうです。

 

この案件自体は大した内容ではないのですが、今回の重要なキーワードが出てきましたよ。

それは「煤」です!

 

エンジンの吸気シャッタ・バルブが煤で全閉固着するおそれ

一番ヤバいのはこれ。

マツダは欧米勢がディーゼルエンジンの排ガスに含まれる窒素酸化物の浄化に苦しむ中、SKYACTIVE-Dの低圧縮希薄燃技術によって排出ガスの浄化を実現しました。

マツダのディーゼルのスゴいところは、従来相反していた窒素酸化物と煤の発生を同時に低減したところ。

 

でも低減しただけで出ないわけでは無いんですよ。

特にSKYACTIV-DはEGR(排気ガス再循環)を多用しているので、吸気通路に「煤」が溜まりやすい。

煤の例(写真はマツダじゃないです。たぶん)

 

この「煤」が今回の影の主役です。

吸気通路(EGR系統)への「煤」の付着は、いわばディーゼルエンジンの持病。

 

リコールの根本原因となっている煤の発生・堆積を抑制しようとするとエンジンの設計思想や排ガス認可に関わるので、市場措置での抜本的な対策は困難と推察されます。

かといって、排ガス検査の測定モード中だけは認可を取得した設定のまま、それ以外のところで燃焼制御の修正をおこなうようなことをするとディフィートデバイスに相当する疑いが生じます。

ディフィートデバイスとは

内燃機関を有する自動車において、排気ガス検査の時だけ有害な排出物質を減らす装置を指す。日本では2013年より3.5t以上のディーゼル自動車に対しては違法とされ、2017年9月よりアメリカ合衆国および欧州連合と同様に、限定条件無しで全て違法となった。

 

したがって今回のリコール対応は対症療法にとどまるとみられます。

 

どーするんですかね、コレw

リコール対応したところで警告灯が点灯しまくるんじゃないの?

 

エンジンのリコール怖い・・・。

 

 

まとめ

一般的に、エンジンの性能には様々な二律背反があります。

 

例えば煤(PM)と窒素酸化物(NOx)。

煤は悪名高きPM2.5の元凶、窒素酸化物は酸性雨の元凶。

供給する酸素量を増やして燃焼温度を上げれば燃料やオイルの燃えカスである煤は減りますが、高温下では空気中の窒素と酸素が結合して窒素酸化物の排出量が増えます。

 

あるいは燃費と出力。

燃料をたくさん燃やせば出力は増えますが、燃費は悪化します。

 

ほかにもいろいろ相反する要素があります。

 

こうした数多くの二律背反の狭間で、様々な工夫をこらしてやっとこさのピンポイントで仕様が両立しているのが現代のエンジンなのです。

この二律背反のバランスポイントを見いだせず、ディフィートデバイスによって排ガス測定中だけ排出量を減らすという禁じ手を使って規制当局にバレちゃったのがVWやベンツ、アウディ、BMWなどの欧州メーカー。

その中にあって、マツダは正々堂々とSKYACTIV-Dでバランスポイントを見出したと思われていましたが・・・、今回のリコールを見る限りかなりギリギリのところで成立しているとみられます。

 

さて、このようなハイレベルな戦いをいつまで続けるのでしょうか?

もはやエンジン競争には誰もついてこれないんじゃないでしょうか?

エンジン芸人のみなさん、周りの状況、見えてます??

 

そろそろ誰でも作れてアホでもパクれるエンジンを目指さないと、EVに淘汰されて消えちゃいますよ。

 

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