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「EVが今後の主流になる? 技術的な根拠を示せ」←アタマ大丈夫かw

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EVが今後の主流になる? 技術的な根拠を示せ

唖然とした。ある調査会社が「2050年に世界の電気自動車(EV)の比率が8割」と予測するグラフを発表していたからだ。百歩譲ってそうした予測が導き出されたのだとしよう。ところが、そんな“大胆な予測”を発表しておきながら、その根拠を全くと言ってよいほど示していないのだ。これでは控えめに言って根拠薄弱、デタラメと言われても仕方がないだろう。他の同様の予測も、根拠が薄いという点では似たようなものだ。

Source: 日経xTECH

おいおい、コンサルの営業材料にマジレスしてるよw

 

いや、 わかりますよ。

日経xTECHの記事なので、技術者がスッキリするように真面目に解説しなきゃいけませんからね・・・。

 



EVの普及予測に技術的な根拠など無い

コンサル業界に片足突っ込んでる身としては心苦しいのですが、結論から申し上げると、EVの普及予測に技術的・科学的な根拠などありません!

言うてもた・・・

 

一応、鉛筆ナメナメで適当に予測しているわけではなく、各国の人口動態や資源の埋蔵量、再生可能エネルギーの普及見通しなどそれらしい根拠に基づいてはいますが、それでもかなりバラつきが生ずるのが実態です。

 

それでは、世にあるEVの普及予測がどんだけハチャメチャか、少し事例を紹介しましょう。

 

IEA(国際エネルギー機関)のEV普及予測

出展:IEA

 

2050年でZEV(ゼロ・エミッション車)の割合が40%程度と予測しています。

国際機関の予測ということで経産省などもこれを引用していますが、「国際機関=正確である」というわけではない点に注意が必要です。

 

国際機関だからといって信用できるわけではない、というのは国連を見ても明らか。

国連ではいまだに国連憲章の敵国条項で日本を敵国として扱っていますので、IEAの予測にも何かしら関係国の利害関係が絡んでいる可能性があります。

 

デロイト・トーマツコンサルティングのEV普及予測

2050年でZEV(ゼロ・エミッション車)の割合が86%程度と予測しています。

日経xTECHの元ネタとなったのはこのデータでしょうか。

CO2削減という目標から逆算したものなので、市場の成り行きから予測したものではないという特徴があります。

 

コンサルというのは企業の医者に例えられますが、患者である企業の病気が完治してしまうと飯の種が無くなる業界です。

これが婚活コンサルや就活コンサルなど新規顧客が次から次へと供給される業界ならともかく、自動車メーカーを相手にするコンサルは顧客の数が限られているので、生かさず殺さず、ほどほどに不健康な状態を維持して長期にわたって利益を吸い取らないといけません。

デロイトがそんなセコいことをしているかは知りませんが、コンサルが出すソリューションというのは顧客に合わせて手心が加えられているのが一般的ですので、これもまた何かしらの利害関係が絡んでいる可能性があります。

 

トヨタのEV普及予測

出展:トヨタ自動車「電動車普及に向けたチャレンジ」(2017)

 

グラデーションがついていてボヤ〜っとしているあたりはなんとも自信なさげですが、無理やり目をこらして見ると2050年でZEV(ゼロ・エミッション車)の割合が20%程度と予測しています。

デロイトの予測では2050年にはHVは絶滅しているのに対して、トヨタの予測ではHVが健在であるあたりが興味深いです。

 

これはわかりやすいですね。トヨタが伝家の宝刀であるハイブリッドで戦っていくぞ、という意志が読み取れます。

もっとも、トヨタは社内に内燃機関や燃料電池のリソースを抱えていますので、まかり間違っても現在の事業が揺らぐようなホラーシナリオを描くことはできないでしょう。

 

なぜEV普及予測はこれほどバラつくのか?

一般的に未来予測については、人口動態や人口動態に直接紐づくもの以外は正確な予測は難しいといわれています。

特に科学技術が絡むものについては新技術や新発明によって非連続的な変化をすることが珍しくありません。

 

こういった非連続的な変化がある事柄の未来予測の手法には、フォアキャスティングバックキャスティングを併用するのが定番になっています。

 

フォアキャスティングは未来は過去の延長線上にあるものとして帰納的に予測する手法で、5年先ぐらいの比較的短期のシナリオを描くために用いられます。

フォアキャスティングは近未来の予測ですので、例えば1年後に新技術や新発明が生まれてもそれほど大外しすることはありません。

一方で長期トレンドをフォアキャスティングで予測すると、初期のわずかな読み違えが10〜50年後に大きく響きます。

 

例えば、ある技術が年率1%で成長すると見積もるか、年率2%で成長すると見積もるか、を比較すると

$$1.01^{50}=1.65$$

$$1.02^{50}=2.69$$

わずか1%のパフォーマンスの違いが50年後には大きな差となります。

したがってフォアキャスティングで長期予測を立てることにはあまり意味がありません。

 

 

一方でバックキャスティングはメガトレンドや「ありたき姿」から演繹的に予測する手法で、10〜50年先ぐらいの比較的長期のシナリオを描くために用いられます。

 

EVの普及予測の多くは2050年ぐらいまでのタイムスパンで描かれていますので、まさにバックキャスティング的予測によって描かれてます。

すなわち長期予測は「ありたき姿」から逆算された未来なのです。

「ありたき姿」が存在するということは、予測した人の立場や想いが色濃く反映されたものになっています。トヨタの予測などがまさにそうですね。

 

そこでクソ真面目に『技術的な根拠を示せ(キリッ)』などと噛み付いても、神学論争のようなもので永遠に議論は噛み合いません

技術者というのは「AだからB、BだからC、CだからD・・・」とロジックを積み上げないと納得しないので日経xTECHの論調は仕方ないところがありますが、未来予測なんて真面目に議論するだけムダ。

 

信じている未来が違うのです。

 



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