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ルノー・日産:中国二次電池メーカーCATLから車載電池調達

投稿日:2018年5月14日 更新日:

国内を見ていると見誤る「EVブーム」の本質

EVブームが叫ばれて久しいですが、皆さん実感は湧いてますでしょうか?

日本国内だけを見ると、EVやPHEVの販売はそれほど盛り上がっていませんし、大手メディアのニュースもそれほどEV関連のニュースを取り挙げないので、「バブルじゃねーのw」というのが正直な感じじゃないでしょうか。

しかしながら、私は日々このブログを書くために内外のEVニュースをウォッチしていますが、明らかにここ1、2年ぐらいで世界的なEV化の流れは本格化してきたと感じています。

特に中国の話題が多くなってきたというのが顕著な特徴ですね。

EVは技術的にまだ未成熟なところはありますが、ビジネス的には大きなうねりになっていることは間違いない。

 

先日は中国の自動車外資規制緩和の裏側について「ホワイトリスト企業の競争力を強化し電動車の中核部品であるバッテリーの世界的な覇権を握ることが狙いである」と指摘しましたが、時を同じくして中国の二次電池メーカーCATLがルノー・日産に車載電池を供給するというニュースが報じられたので、今回はこのニュースをご紹介します。

ほとんどの人が気づいていない中国の自動車外資規制緩和の裏側

 



ビジネスの合理性を追求すると中国製バッテリーに行き着くという罠

車載電池の世界大手、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)は、仏ルノーと日産自動車が新開発している電気自動車(EV)向けにリチウムイオン電池を供給する。CATLにとって日本車向けの車載電池供給で第1弾となる。月内には横浜市に営業・開発支援拠点を新設する予定で、日本車メーカーとの取引拡大に弾みをつける。

Source: 日経新聞

日産が18年後半に中国でEVセダン「シルフィ ゼロ・エミッション」の発売を予定していますが、一大市場である中国でEVを生産するには中国政府が認めたホワイトリスト企業からバッテリーを調達しなければいけません。

このため、日産は中国でのバッテリー調達先としてホワイトリストに登録されているCATL社をチョイスしました。

 

おそらくこれからEVを世界中で展開するにあたって、日産はCATL製のバッテリーを多く採用していくはずです。なぜなら、ある程度調達先を絞ったほうが開発も品質管理も楽でコストメリットが大きいから。

もろもろの調達リスクを考えると一社寡占にはならないと思いますが、それでもビジネスの合理性を考えれば、例えば日本向けはAESC(オートモーティブエナジーサプライ:日産とNECの合弁会社)、米国向けはパナソニック、中国向けはCATLといった、モデル毎あるいは仕向毎にバッテリーを変えるなどという非効率的なことはしないでしょう。

つまりは、ビジネスの合理性を追求すると中国製バッテリーに行き着くというわけです。

今回の報道は日産のものですが、今後はトヨタやホンダなど他のメーカーでも同様の動きがとられることが予想されます。

EVシフトと外資規制緩和という大きな釣り針

中国の産業界としては日産がCATLからバッテリーを調達するという報道で、また釣れたーーー!って感じでしょうね。(すでにPSA、BMW、ヒュンダイはCATLに釣られて生簀で飼われてますw)

 

日産としては一企業として利益を最大化すべく合理的な選択をしたはずなんですが、他の企業がこの動きに追従すると下手すりゃ自動車業界全体が中国のバッテリーメーカーに握られる事態だって想定されるわけです。

ご存知とおり、中国では民間企業といえども多かれ少なかれ中国共産党の影響を受けています。彼の国の企業に中核部品を握られることにどんなリスクがあるか・・・、わかりますよね?

 

おそらく日本のバッテリーメーカーや自動車メーカーの中でも勘の良い人は、一連の中国の自動車政策のヤバさに気がついているはずです。中国のEVシフトは大きな釣り針であるということに。

だからといって、中国市場はあまりに規模が大きくビジネスチャンスを考えると絶対に無視できないので、デカイ釣り針が見えているのに食いつかざるを得ないあたりが非常に辛い。

 


 

これが中国の狡猾なところです。

日本はとかく「技術」や「モノ作り」というものを盲信して市場で正々堂々と勝負して勝とうと考えがちですが、中国は中央から末端まで徹底して戦略(=戦いを略す)というものをよく考えて何手も先を読んで仕掛けてきます。

いつも問題提起だけで心苦しいですが、私たちも見習うべきところは謙虚に見習うという姿勢を大切にしたいですね。

中国の戦略思想といえば「孫子の兵法」が定番ですが、文庫版などは文体が難しくて読みにくいので、概要を掴むにはまんがで身につく 孫子の兵法がオススメです。



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