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最強の燃料電池トラックや電動バギーを手がける米ニコラモーター入門

投稿日:2018年5月12日 更新日:

皆さん、ニコラ・モーターという会社をご存知でしょうか?

同社はアメリカのユタ州ソルトレイクシティに本拠地をおく、新興の電気自動車メーカーです。

日本ではあまり馴染みが無い社名ですが、最近の電動化ブームで乗用車以外の領域で存在感が増しつつある企業ですのでご紹介します。

米ニコラモーター:燃料電池セミトラックのスタートアップ

800~1200マイル(約1300~1900km)もの長距離を連続走行できる燃料電池セミトラックを、スタートアップの米ニコラモーター・カンパニーが1日に披露した。セミトラックとは荷物を積んだトレーラーを牽引するタイプのトラック。2020年の出荷開始を予定している。

燃料電池車は走行中に二酸化炭素(CO2)を排出せず、電気自動車より航続距離が長くできることから、究極のエコカーとも言われている。水素ステーションでの燃料供給もニコラワンは15分で済み、電気自動車よりは短い。ただ、燃料となる水素の製造と水素ステーションのインフラが大きな課題とされている。

そこで同社では、水素プラントおよびステーションについて自前での整備構想も打ち出した。太陽光発電で水を電気分解し、水素を製造する水素プラントを建設し、そこからタンクローリーでステーションに水素を供給する。

Source: ニュースイッチ 2016年12月03日

 



アメリカでも燃料電池車の課題はインフラ

商用車に比べて自家用車は走行ルートや一度に走る距離のバラツキが比較的大きいため、FCEVでその行動範囲をカバーするためにはたとえ稼働率が低くてもガソリンスタンド並みの密度で水素ステーションを整備する必要があります

 

昨今、エンジン車の燃費性能が向上していることや設備の老朽化により日本でガソリンスタンドが倒産しまくっているということは周知の事実ですが、アメリカでもガソリンスタンドは減少の一途を辿っています。

これほどインフラを取り巻く環境が厳しい中で、水素ステーションという煮ても焼いても食えないものをガソリンスタンドと同等の利便性を実現するために設置するというのはとても現実的でありません

一方で、トラックやバスなど特定のルートを特定の頻度で走行する商用車に関しては、数少ない水素ステーションを高い稼働率で運用することができる可能性があるので、これはこれで合理的な選択となりうるかもしれません。

 

EVバギーも市販。航続距離は300km!

ニコラ社はトラックだけではなくUTVの開発も手がけています。

UTVはサイド・バイ・サイド・ビークルとも呼ばれるカテゴリーで、オフロード車両で2名または4名が乗車できるものを指します。

米EV新興メーカーの「ニコラ」は、新型UTV(ユーティリティ・タスク・ビークル)『ニコラ ゼロ』市販型を初公開した。

パワートレインは、最高出力555ps、最大トルク67.7kgmを発揮する電気モーターで、航続距離は330km。販売価格は3万7500ドル(約400万円)で、既に受注が開始されているという。

Source: Response

日本でバギーはあまり馴染みがありませんが、アメリカでは農地や林野での移動・家畜の誘導といった実用から、ラリーやモトクロス?のようなレジャー用途まで、わりとニーズがあるカテゴリなのだそうです。

ちなみに日本のホンダやヤマハなんかも、アメリカではこのカテゴリーを手がけていますね。

 

ではニコラ・ゼロのデザインを見てみましょう。

やだ、パキパキしたデザインかっこいい・・・!

こちらのパワーユニットは燃料電池ではなく、バッテリーEVのようです。

スペックは最高出力555馬力、航続距離330kmということで、なかなかのものです。これは農地をのんびり走るっていうより、レジャーでダートをブン回して走る用途のような気がしますね。

またEVはエンジンよりもきめ細かく駆動力の制御ができるので、不整地でのトラクションコントロールやVSAなど安全性にまつわる機能もエンジン車よりも高度なものとなりそうですね。

 

バドワイザーの製造元から大量受注

さて、冒頭でご紹介した燃料電池トラックですが、わりと市場の評価は上々のようです。

水素燃料電池で走るトラックを開発中のニコラ・モーターが、世界第三位のビール製造会社アンハイザー・ブッシュから800台のトラックを受注しました。納車時期は2020年。アンハイザー・ブッシュはテスラに40台のテスラ・セミを発注済みで、テスラとしては将来の受注をニコラ・モーターに奪われた格好です。

Source: engadget

この勝負、ニコラ800台 vs テスラ40台でニコラの圧勝でしたね。

テスラのEVトラック・セミは航続距離300マイル(約480km)と500マイル(約800km)の2つのバリエーションが存在していて、価格はそれぞれ15万ドル(約1700万円)と18万ドル(約2000万円)です。

一方で、ニコラ・ワンは航続距離800~1200マイル(約1300~1900km)で価格は30万〜40万ドル(約3280万〜4380万円)と報じられています。

 

用途にもよりますけど、果たしてどっちがオトクなんでしょうねぇ・・・。

広大なアメリカでは航続距離に対する要求は日本とは異なるのかもしれませんが、個人的にはいくらなんでも1チャージで1,900kmも走る性能の必然性はあるんかいな?という気がします。

 

テスラとは犬猿の仲?

交流送電や蛍光灯などを生み出した19世紀の天才発明家ニコラ・テスラが社名の由来である、TeslaとNikola。

さぞ仲がよろしいのかと思いきや、そうでもないみたいです。

米新興電気自動車(EV)メーカーのニコラ・モーターは1日、デザインの特許侵害でテスラ(TSLA.O)を提訴した。

テスラ初の大型EVトラック「セミ」がニコラのデザインに「極めて」似ていると主張している。

Source: Reuter(2018年5月2日)

どれどれ、見てみましょう。

テスラの大型EVトレーラー:テスラ・セミ

ニコラ・モータースのEVトラック:ニコラ・ワン

 

まあ500mぐらい離れて見れば似てるとも言えなくもないですが、これで提訴ですか・・・。

バドワイザーの受注を奪われた私怨ですかね。

さ、さすが訴訟大国だね(白目)

 

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