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EV普及を阻む「コバルト不足」は解決できるか

投稿日:2018年5月12日 更新日:

米モルガン・スタンレーによれば、EV販売は2040年までにガソリン車を抜き、そのマーケットシェアは2050年までに69%に到達。ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスは「2040年までに新車販売の54%、保有台数の33%がEVになる」と予想する。

(中略)

これだけのEVを生産するには現在の採掘量の100倍のコバルトが必要だ。さらに、コバルトは銅やニッケルの副産物として採掘されている。つまり、銅やニッケルの需要が伴わなければ、価格はハネ上がる。しかも、その65%はコンゴ民主共和国で産出されているのだ。資源争奪戦による内戦で600万人もの命が奪われてきた、あのコンゴである。

Source: 東洋経済

リチウムイオン電池のアキレス腱はコバルト

先日はリチウム資源の争奪戦について取り挙げましたが、個人的にはリチウムよりもコバルトのほうが調達リスクが高いと思っています。

理由としては、コバルトの世界生産の半分以上を占めるコンゴ民主共和国が長年に渡って内戦が続いてきた筋金入りの情勢不安定国であるということ。

 

資源争奪で死者540万人なんて狂ってるでしょ。

死者540万人以上―日本では報道されない、忘れられた世界最大の紛争(コンゴ民主共和国)

しかもコバルトの採掘なんて児童労働が横行してて、リアルにブレードランナー2049の世界ですよ、コレ。ディストピアかっつーの。

先進国が児童労働の片棒を担いでいるという見方も・・・。

スマホのバッテリーが児童労働によって発掘されたコバルトで成り立っているという実態

 



資源は紛争の種

コバルトに限らず、世界を見渡すとなぜか鉱物資源や化石燃料などは貴重なものであればあるほど、紛争地域や政情が不安定な国に集中しているんですよね。

まさに「資源は紛争の種」となっています。戦争あるところに資源あり、逆に資源あるところに戦争あり。

率直に言って超面倒くさい状況です。

 

正直なところ「人道的問題の解決以外は当事者だけでやってくれ」と突き放してしまいたい気持ちもあるのですが、昨今は放っておくとこれがテロや違法薬物の温床になったりそれらが拡散したりで、弱者や無関係な第三国を巻き込んだりでロクなことがないので放っておくこともできないんですよね。

資源の需要者が主に先進国であるということで、われわれが間接的に紛争に加担しているとも言えなくも無いし。

 

コバルトフリーバッテリーの救世主はLi空気電池

そんなわけで、需要サイドとしてはとっとと代替技術を開発して「まだコバルトの採掘してるの?」みたいな状況に持って行けると嬉しいんだけど、コバルトはリチウムみたいに代替技術の見通しが立っていないのが現状。

 

コバルトは需要が活発である一方で採掘が難しいため、2015〜2018年ぐらいの間に価格が数倍に高騰しています。すでに中国企業は鉱山や採掘権の争奪に動き出していて、例によって日本企業は劣勢に立たされています。

こうしたこともあって、コバルトフリーバッテリーを待望する声が高まっています。

 

そこで注目されているのがLi空気電池です。

Li空気電池は正極に空気中の酸素、負極にLi系材料を用いるのが特徴で、従来リチウムイオン電池(コバルト系)の正極使われていたコバルトが不要になる技術です。重量エネルギー密度は理論的には1万Wh/kg超とされ、現行のLiイオン2次電池約30倍と期待されています。

 

このLi空気電池の可能性に目をつけているのが、ソフトバンクです。

去る2018年4月11日、同社と国立研究開発法人 物質・材料研究機構(以下「NIMS」)は、「NIMS-SoftBank先端技術開発センター」の設置に関する覚書を締結しました。

両者は当センターでの共同研究を通して、まず次世代の革新的電池であるリチウム空気電池の実用化に向けて連携を開始すると報じられました。

ソフトバンク株式会社 プレスリリース

 

この提携の席でソフトバンクCTO宮川氏は

最終的には、5~10年先には実用化したい。険しい山だが、頂上までいけば見える景色が変わるはず

Source: 日経xTECH

と述べています。

楽しみですね〜。世のため人のためになる技術なので実用化が強く望まれます。中の人がんばって!

 

取り急ぎウソでもいいので「数年内に代替できるかも!?」的な雰囲気を漂わせて、Co鉱山の権益を持つ中国企業や児童労働のブローカーに一発カマしてくれると面白いんですがww

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