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「全固体蓄電池」2年後に実用へ

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携帯機器や電気自動車などに使う次世代蓄電池の開発が加速している。現在のリチウムイオン電池より安全で高性能な新技術の研究が活発化しており、本命視される「全固体電池」は2年後にも実用化する見通しだ。

2016年に東工大の菅野教授、トヨタ自動車の加藤博士、高エネルギー加速器研究機構の米村准教授らの研究グループがリチウムイオン二次電池の3倍以上の出力特性をもつ全固体型セラミックス電池の開発に成功した。

この全固体電池は既存のリチウムイオン電池より室温で出力特性が3倍以上になるとともに、従来の有機電解液を用いるリチウムイオン電池の課題である低温(-30℃)や高温(100℃)でも優れた充放電特性を示したという。

また、室温や高温での高電流放電において1000サイクルに及ぶ安定した特性を持ち、実用電池に匹敵する耐久性を兼ね備えていることも明らかとなった。

ところで、リチウムイオン電池には以下の3つの限界が近づいているといわれている。

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  • 安全性の限界:これ以上の大容量化は事業としてのリスクが大きい
    エネルギ密度と安全性はトレードオフの関係にあるが、サムスンのスマホ発火事件にもあるように大容量化によって得られるメリットと事故による損失リスクのバランスが崩れつつある。
  • エネルギー密度の限界:これ以上は理論的に大容量化できない
    リチウムイオン電池パックの重量エネルギー密度の理論限界が250Wh/kgであるのに対して、現在は150〜250Wh/kgであり、あと数年で限界に達するとみられる。
  • 材料コストの限界:これ以上は安くならない
    これまではリチウムイオン電池の生産数が増大したことで価格が下落してきた。しかし、相対的にコストに占める原材料費の占める割合が高まってきており、2015年秋ごろから原材料の1つである炭酸リチウムの価格が世界的な需要の増大にともなって高騰し高止まりしている。

このような背景から、ポストリチウムイオン電池の開発が活発化しているというわけだ。

したがって、数年内に全固体電池やリチウム硫黄電池、空気電池、電気二重層キャパシタなどの次世代の蓄電技術にうまくバトンタッチできればEVの未来は明るいが、バトンタッチに失敗し性能が停滞すればEVはニッチ商品の域を脱することができないかもしれない。

 

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