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社会

熊本地震から考える次世代自動車

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4月14日以降の一連の熊本地震で無くなられた方々のお悔やみと被災された方々のお見舞いを申し上げます。

世界の大地震の約2割は日本周辺で発生するといわれ、我が国は紛れも無く地震大国である。したがって今回の震災の経験を将来に活かすべく、インフラの復旧状況と次世代自動車のありかたについて考えてみたい。

電気自動車 vs 燃料電池車、災害時は?

現時点では次世代自動車が電気自動車となるか燃料電池車となるかは分からないが、いずれにせよ新しいインフラとのセット運用が必要になる。このため、熊本地震発生時からのインフラ復旧の状況をモニタリングすることにより、次世代自動車の震災に対する優位性を明らかにしたい。

ここでは次世代自動車は以下を仮定する。

電気自動車

充電はAC100V/200V/CHAdeMOを想定し、充電器自体は地震でダメージを受けないものとする。(ダメージを受けるのは送電網のみと仮定する)

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燃料電池車

水素の供給方式については、政府の規制改革会議において小型水素ステーションの普及が促進されていることから、具体例としてHondaの水電解式「スマート水素ステーション」を想定する。

なお、ここでも水素ステーション自体は地震でダメージを受けないものとする。(ダメージを受けるのは送電網および水道網のみと仮定する)

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インフラ復旧状況の推移

熊本地震における被災地のインフラ復旧状況の推移をまとめたものを以下に示す。

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ソースは内閣官房長官記者会見およびNHK等の報道による。

4月14日のいわゆる「前震」が発生した翌日の4月15日に被害世帯数が小さいのは、4月15日の「本震」前であること、そして被害状況が十分に把握できていないことによるものであると思われる。

このデータより読み解けるものは以下のとおりだ。

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  • 水道:災害直後のダメージが大きく、回復が遅い(4月23日に全復旧)
  • 電気:災害直後のダメージが小さく、回復が早い(4月21日に全復旧)
  • ガス:回復が最も遅い(安全確認に時間を要するためと推測)

断水は解消しても

とりあえずデータ上は4月23日には熊本県内の断水は解消したとあるが、実は被災地では水源の濁りよる水道の濁りが発生している。

このため、飲用に適する一般的な「水道水」の品質には回復していないことが報じられている。

熊本地震では、長期間の断水に加え、水道が復旧しても濁って飲めないという問題が被災者を悩ませている。

なお、一般に水電解式の水素ステーションは汚濁した水では使用することはできない。

まとめ

結論:震災に対しては電気自動車のほうが優位である。

電気自動車は電気だけが復旧すれば良い。一方で、燃料電池車を水電解式水素ステーションとともに運用すれば、災害時は必ず電気と水の両方の復旧が求められる。

もちろん、ガソリンスタンドの復旧状態などを鑑みればオフサイト式で補完することはできるかもしれないが、いずれにせよ複数のインフラのAND条件が成り立たないと運用できない方式が得策でないことは火を見るより明らかであろう。

天然ガス改質などの方式に関しては、都市ガス網は水道よりも復旧が遅く論外だ。(尤も、熊本県では都市ガス普及率は54%程度なのだが。)

今後、水素の製造技術がどのように進歩していくかわからないが、来たるべき次の震災と次世代自動車社会に向けて、熊本地震で得られた経験をもとに各メーカーがより良いものを開発してくれることを切に願わずにはいられない。

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