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満充電まで2〜3分!?容量密度100倍の電気2重層キャパシター

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英University of Surreyと英Augmented Optics社、およびAugmented Optics社の100%子会社である英SuperCapacitor Materials社、英University of Bristolは2016年12月5日、従来の100倍の容量密度を備えた電気2重層キャパシターを実現可能な電解質材料を開発したと発表した(発表資料)。電気自動車(EV)の航続距離を600km以上にできたり、スマートフォンを数秒で充電できたりする見通しという。

このたびイギリスの大学やベンチャー企業が新型の電気二重層キャパシタを開発したことが報じられた。

一般的なリチウムイオン電池のエネルギー密度が100〜200Wh/kgであるのに対して、従来は電気二重層キャパシタは数Wh/kgと小さく、これまではとてもじゃないがEV用の蓄電デバイスとしては使えないという位置づけであった。

ところが、今回の新型キャパシタのエネルギー密度は従来の約100倍である数百Wh/kgとのことで、リチウムイオン電池の性能をも凌ぐものとなっている。

これがEVに採用されると航続距離は600km以上、1回の満充電にかかる時間は2~3分が実現可能となるとみられており、EVの利便性が飛躍的に向上することが期待される。

なお、一般的にキャパシタの長所としては、

  • 出力密度(W/kg)が高い、すなわち瞬発的に大出力を必要とする自動車の用途に適する。
  • 化学反応を伴わないので充放電による内部劣化が無く、寿命が長い。

というものが挙げられる。一方、短所としては

  • 化学反応で電気を蓄える二次電池と比べると自己放電が大きい。
  • 放電するにつれて電圧が低下する。

といったところが挙げられ、このあたりをどのように克服するかが実用化の鍵になるかもしれない。

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また、今回は「ソフトコンタクトレンズに用いる高分子材料」が使われているとのこと。もちろん、そんなありふれたものをそのまま使っているはずは無く、「ソフトコンタクトレンズ的な」何かであると推測されるが、それはおそらく電解液に浸された状態にあるものと思われ、低温や高温に対するタフネスがどの程度あるかというあたりも気がかりだ。


一方、素人的な感覚で申し訳ないのだが、電気二重層キャパシタが「物理的に蓄電する」という特徴は、もしかしたら半導体などと同じく性能が物理的な微細化や精度向上と直結しているんじゃないかという気がするのだ。

もし仮にそうだとすれば、キャパシタの性能がムーアの法則に従う可能性がある(ムーアの法則:シリコンチップ上のトランジスタの数が約18か月で2倍になるというもの)。

実際、セラミックコンデンサはムーアの法則に匹敵する速度で進化してきたという経緯もあり、類似構造で蓄電している電気二重層キャパシタについてもひとたび開発競争に火が着けば、その性能が年月のべき乗で爆発的に向上する可能性を秘めているのではないだろうか。

正直、これまではEVの蓄電デバイスとしては本流から外れていた電気二重層キャパシタ。今回の報道がブレイクスルーの先駆けとなるか。

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