Renault社、EVを走行中に無線充電するシステムを開発

フランスRenault社は2017年5月18日、米Qualcomm Technologies社とフランスVedecom社と協力し、走行中の電気自動車(EV)に無線充電できる「Dynamic wireless Electric Vehicle Charging(DEVC)」システムを開発したと発表した。

フランスのパリ市近郊にあるVedecom社のテストコースに100mの給電用道路を設置し、Renault社の「Kangoo ZE」2台を使って試験を行った。100km/hまでの走行速度で最大20kWで充電できる。

Formula eのセーフティカーに使用されているBMW i8にはQualcomm社の非接触給電技術が採用されている。このためQualcommはBMWと密接な関係にあると思っていたのだが・・・。

このたび報じられたものはRenaultとQualcommの走行中非接触給電である。非接触給電は各方面でいろいろな研究開発がなされているが、「走行中」というところはEVの利便性向上にとって重要な技術であると思われる。

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なんたって走ってるうちに充電されてしまうんだから、充電時間に悩まされることもプラグを差し込む手間もかからない。非常に画期的な技術である。

さて、このたび新しく開発されたシステムは最大20kWの出力で充電できるという。

仮に日産リーフが60km/hで走行中しているときに、このシステムを利用したとしよう。

リーフの実電費は約8km/kWhと言われているので、走行中にクルマが発生している平均出力は60÷8=7.5kw。したがって、正味の充電出力は20-7.5=12.5kWとなる。

この充電器を使ってリーフが50km走れるだけの充電残量を稼ぎ出そうとすると、必要な電力量は50÷8=6.25kWhであるので、充電器の利用時間は6.25÷12.5=0.5h=30分となる。

すなわち、60km/hで走行している車両で50km分の充電残量を稼ぎ出すには、30kmもの長い充電区間が必要となるのだ。うーん、インフラコストは一体いくらになるんだ?!

とは言っても、ここで実用化されてもいない新しい技術を頭ごなしに否定するつもりはない。むしろ期待を込めて、今後は技術のブラッシュアップのみならず、実用化に向けてどのようなビジネスモデルで展開していくのか、という具体的な形が見えてくるとより良いものになるはずだ。