ニッチなEVメーカー台頭

電気自動車(EV)をつくるベンチャー企業が国内でも台頭してきた。光岡自動車(富山市)は7日、2人乗りの小型EV「Like(ライク)―T3」の本格販売を始めたと発表した。各社とも、大手とは一線を画した個性的な車で勝負するが、販売力の弱さなどが課題だ。

気がつけば日本国内には様々なEVメーカーが生まれている。そのいくつかを紹介しよう。

GLM

トミーカイラZZでお馴染みのGLM(京都)。国内のEVベンチャー勢で唯一スポーツカーを製造する。

2016年のパリモーターショーでは「G4」というコンセプトモデルの発表が予定されている。このモデルはGLMの技術を最大限に活かすとともに、デザインはオランダの「サヴェージ・リヴァーレ」と提携するなど、ハイパフォーマンスEVとして期待できるものとなっている。

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光岡自動車

EVよりもパイクカーやキットカーの製造・販売が有名だろう。かつて三菱i-MiEVをベースとした雷駆(ライク)というEVを手がけていたこともあるが、最新のEVモデルはLike-T3というゴルフカートのようなモデルである。

しかし、光岡はオロチというグラマラスなセダンを製造していたこともあり、いずれはこのような個性的なEVを生み出してくれるかもしれない。

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FOMM

FOMMの小型EVの特徴は「水に浮く」ということ。

このモデルは東南アジアでの展開を目指しており、EVの電動パワートレインがエンジンなどに比べて防水性を付与しやすいということを活かし、洪水の際でも壊れること無く移動することを可能にするものだ。

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エレクトライク

「eTrike」というブランド名の下で、三輪の電気自動車を販売している。このモデルはインドのBajaj(バジャージ:KTMのOEMモデルなどの製造を手がける)というメーカーのガソリン三輪車を改造したものだ。

日本では三輪自動車といえば60年代のダイハツ・ミゼットなどが代表的であるが、東南アジアやなどでは現在もオート三輪は現役であり、海外への販路を期待するとともに、レトロな外観と低価格を武器に国内での展開も目指す。

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rimOnO

ライトブルーの小さくて可愛い布製ボディをあしらったrimOnO。

同社は経済産業省出身の 伊藤慎介 と znug design (ツナグデザイン) の 根津孝太 が設立した 「新しい乗り物」 の会社だ。

ただ、量産に向けてモーターやリチウムイオン電池などといった基幹部品の調達先や資金の調達などに不安があるという報道もあり、まだまだ乗り越えるべきハードルは多そうだ。

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zecOO

前述のrimOnOの根津孝太氏が手がける電動バイクメーカーがzecOOだ。

モーターサイクルとしては奇抜なデザインやライディングポジションが目を引くが、11.4kWhもの容量のバッテリーを搭載し、280kgという巨漢ながら航続距離は160km、0-100mは3秒余りと怒涛の加速性能を誇る。

価格は888万円と高価ながら、生産台数は49台限定で販売されている。

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UPQ

UPQはカシオを退社した中澤優子氏が一人で立ち上げた家電ベンチャー企業である。

同社が手がけるモバイルeバイク「UPQ BIKE me01」は、スクートマンという既存の電動スクーターをベースとして国内の道路交通法に合わせた改造を施すとともに、同社のアクションカメラを搭載できる、といった仕様変更を行なったものである(車体色も違うか)。

と、書いてしまうと身も蓋も無いのだが、原付バイクといえども海外の乗り物をある程度の品質で国内の法規に対応させながら量産するというのは意外と面倒であり、同社の意思はさておきこれを足がかりにGogoroやZero Motorcyclesのような海外で比較的人気を博している電動バイクを国内に導入することも可能かもしれない。

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車輪の数もさまざま、ここに挙げた以外にも日本国内にEVを手がけるメーカーは数多く存在する。

そのビジネススタイルはオリジナルモデルの設計・製造・販売まで手がける本格的なものから、海外製品の改造車両(その改造レベルも様々)を手がける比較的簡単なものまで多種多様であるが、海外勢が勢いづく昨今のEV業界において、この中から山椒の粒のように小さくても個性的なEVメーカーが大きく活躍することを期待したい。