トヨタと東工大が全固体電池を開発

次世代の電気自動車に搭載する高性能のリチウムイオン電池の研究開発が活発に進んでいる。トヨタ自動車と東京工業大学の研究グループは電解液を使わない全固体電池の性能を向上させることに成功した。リチウムイオンの伝導率を従来の2倍に高めて、充電・放電時間を3分の1以下に短縮できる。

全固体電池とは

現在のリチウムイオン二次電池は電池内部が電解液で満たされており、電解液中をリチウムイオンが行き来することで充放電する。しかし、揮発性しやすく燃えやすい電解液を使用しているため、耐久性や安全性に課題があった。

全固体電池はこれらの構成要素が全て固体物質からなる電池であり、安全かつ小型・高エネルギー密度な次世代バッテリーとして盛んに研究が行われている。

充電・放電時間は3分の1以下

今回、トヨタ自動車と東京工業大学が共同で開発した全固体電池は以下のような特徴がある。

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  • イオン伝導率(イオンの動きやすさ)に優れ、充電・放電時間を短縮することができる。
  • 低温下では、現行のリチウムイオン電池と比べて3倍以上の速さで充電・放電できる。
  • 高温下では、1回あたり3分の高速で充電・放電を1000回繰り返しても充放電効率が低下しない。
  • エネルギー密度は250Wh/kg(2015年時点におけるリチウムイオン電池の性能は100〜150Wh/kg程度)

ブレイクスルーは間近か

これに先駆けて2016年3月2~4日におこなわれた国際二次電池展では、日立造船もラミネート型の全固体リチウムイオン電池を公開している。

HITZ

このような次世代二次電池に関する研究は、従来からさまざまな企業や研究機関で行われてきたが、それらの多くは実用化には程遠い基礎研究レベルの成果ばかりであった。ところが昨年頃から製品化を視野に入れた成果がちらほら現れるようになってきており、状況が変わりつつあることが肌身で感じられる。

いよいよ二次電池の性能はブレイスルーする時期が近づいてきているのかもしれない。